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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2002年4月のニュース一覧
▼[2002.04.29]クズの戯れ言
▼[2002.04.27]隔絶のうねりに
▼[2002.04.26]明日の音楽のための今日
▼[2002.04.25]醜さの証
▼[2002.04.24]あの時の流れと
▼[2002.04.22]空よ手に手に
▼[2002.04.21]今,ここの,常識
▼[2002.04.19]終わりのない旅路
▼[2002.04.17]modern politician
▼[2002.04.15]意見の拡散と表現者の表現
▼[2002.04.13]クラスの風景
▼[2002.04.12]6mmの隙間のとても
▼[2002.04.10]こことあそこ,断絶
▼[2002.04.08]ここに要らない,人たち
▼[2002.04.07]電力創造ネットワーク創造
▼[2002.04.05]あたしのナカユビ
▼[2002.04.04]浮遊する,力
▼[2002.04.03]破壊の値の解
▼[2002.04.02]疑似呈慕
▼[2002.04.01]非なるあてなる

■2002年05月のニュース一覧
■2002年03月のニュース一覧


 
[2002.04.29]
  クズの戯れ言


 ▼無類の気前よさを発揮するファイル交換のヘビー・ユーザー(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020423207.html


 社会のクズの云っていることなど,耳を貸す必要もない。

 バーナー氏がファイル共有ソフトで共有しているファイルは,54GBにもなっている。そして気前よくファイルを配っている。こうした行為は近所付き合いのようなものだという。「お隣さんから工具を借りたって,そのメーカーの売り上げをくすねることにはならないでしょう?」。

 「神」の話ということで神話でしょうか。笑った(^_^。それはさておき,こういう人たちのおかげで音楽業界は頭悪く売り上げが下がったと云っているが,果たしてそれは信じるにたるものだろうか。私が毎月読んでいる雑誌に『本の雑誌』という雑誌があるが,そこに出てくる人たち(出版社,取次,本屋の人たち)が「本が売れなくなった」「出版不況だ」「このままぢゃまずい」というのを毎号どこかで必ず云っているのが気になる。そう,書籍も96年以降,年々売り上げは激減しており,かなり地を這う状況となっている。雑誌も状況は同じで,あっさり廃刊になる雑誌が多いのはそんな状況も一因だろう(参考:出版労連のページ)。今のところ,ファイル共有とは無縁の出版界でさえ,これだ。

 本と音楽CDを一緒くたにするつもりはないが,そんななかで音楽が順調に売り上げを伸ばしていたら異常で,売り上げが落ちて当たり前だ。さらには音楽業界はネットなどへの新しい動きもてんでみせられず,マーケティングとしてもたいしたトピックもつくれない無能ぶりを繰り返し,いったいどこに売り上げが伸びる状況があったのやら。つまりは音楽業界の云っていることは口からデマカセ,カケラも信じる必要はない。さらには,今回のコピープロテクトCDの発売で信用までも失った。もう,彼らになにか期待しても無駄なのだ。同情も憐れみも必要ない。社会のクズはゴミ箱に捨てよう。




 
[2002.04.27]
  隔絶のうねりに


 ▼「ナップスター革命」に匹敵する「ウェブログ革命」(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020423206.html


 音楽は最初に過ぎない。出版も動画も,うねりに飲まれていく。

 ウェブログはメディアの世界を変える。人々はワシントン・ポストやナショナルレビューといった新聞・雑誌の権威を疑うようになっており,ウェブログの方が信頼にたる場合もある。ジャーナリズムは編集者と出版者,広告主という過程によってゆがめられるが,ウェブログはそれらを軽々と迂回する。ナップスターは音楽に革命を起こしたが,ウェブログは出版に革命をもたらす。

 毎日毎日鬼の首を取ったように音楽産業をあげつらっているが,それは音楽産業がこれまで働いてきた悪事のつけを払わされているだけで,同じ動きは出版にも及ぶ。新聞も雑誌も本も,すでになんの存在価値があるだろうか? 現在のネットワーク上の情報に対して優位点など,ない。

 でも新聞社や出版社はよくやっていると云っていい。新聞社・出版社がウェブへコミットしている度合いを考えたら,音楽産業なんてなにもしていないに等しい。それどころか邪魔をすること,罠をはめることにしか精を出せないのだから死んでもらった方がいい。やがて,新聞社・出版社にも変革のときは訪れる。著作権を維持することなどできず,消費者からお金を取るのが難しいこの世界で生きるためには,大きく変わらなければいけない。ただでさえ,記事にあるようなウェブログの優位性が感じられるのだ。並大抵のことではないだろう。これまで築いてきたものは役に立たない。新聞社・出版社が,真摯にネットワークで生きる術を考えられるか,お手並み拝見だ。




 
[2002.04.26]
  明日の音楽のための今日


 ▼中古ゲーム訴訟で最高裁がメーカー側の上告棄却(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/Infostand/Item/2002-0425-J-7.html


 もう,音楽をきちんと届けられる企業など存在しない。だから,アップル・レコード,という発想がとってもリアル(via オゥクストラ)。iPodの_ため_のミュージシャンが出てくるまで,音楽は死んでていい。

 「中古ゲーム訴訟」は約4年の歳月の末,中古ゲームソフトの自由流通を認めた。ゲームソフトは映画と同じくメーカーに頒布権があるとしながら,消費者が購入した時点で譲渡の頒布権は消滅するとした。上告を棄却されたコンピュータソフトウェア著作権協会は,「これまでは頒布権を基にしたJASRAC方式の枠組みを考えていたが考え直すことになる」という考えを示した。

 こんな至極当然な判決に4年以上も巻き込まれた人たちが気の毒だが,この判決はそのまま,昨今際立ってきている音楽の著作権の暴論にも役立つ。話はちょっと変わる。私はいつも秋葉原に出向くとCDショップを巡回するが,そのうちのいくつかの中古CDショップは新品音楽CDを値引きして売っている。3000円程度の音楽CDなら500円ほどの値引きが一般的だ。もちろん再販制度からは逸脱している行為。だが,秋葉原では日常的な風景だ(と思う)。コピープロテクトCDに端を発した最近の日本レコード協会の中古CDショップ抑圧(ZDNet Newsの記事)の,一因にもなっているだろうと私は勝手に思っている。

 とは,いっても,安売りされてるCDしか買わないかというとそんなことはなく,豊富な店頭在庫を維持できるのは定価を維持しているCDショップの方だ。別に価格を維持しているCDショップを悪くいうつもりはなく,その棲み分けは可能であり,そんななかに自分の欲望垂れ流しの発言をする音楽業界には死んでもらった方がいいと思うだけだ。現行,再販制度は文化の維持などの目的ではなく,個人の暴利のためにしか利用されていない。もし仮に,メーカーがネット通販を本質的に活性化させれば,店頭在庫に頼る必要も薄くなり,本当に欲しいものなら高い価格設定をしても欲しい人は買う,買うでしょ? あなたも。まぁ云ってわからないんだろうから,もう術はない。現行のレコード会社にはすべて死んでもらい,今までのシステムをまったく持たない,新しい音楽企業が現れるまで,音楽は死んでていい。




 
[2002.04.25]
  醜さの証


 ▼Music 'indies' test anti-copying(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/hi/english/entertainment/new_media/newsid_1939000/1939345.stm


 エイベックスに続いて,ワーナー,東芝EMIと音楽をレイプする仲間が徒党を組もうとしている。BBC NEWSの記事にもあるが,コピープロテクト技術の導入は決してタダではなく,ライセンス料もかかる。「醜い」音楽業界がそれを自分の財布から出すわけはなく,コピープロテクトCDが定着した頃合いに,きちんと上乗せしてくるだろう。ただでさえ暴利をむさぼり続け,なんのために必要なのかわからない再販制度にあぐらをかいている音楽業界だが,「コピーをしていたお前たちが悪いんだ」という言葉で値上げをするのは誰だって想像できる,よね。

 英国でも音楽産業はコピープロテクトCDの導入を強めているが,英国市場の25%のシェアを持つインディペンデント音楽協会の取締役ガイ・ホームズ氏は「コピープロテクトCDの発売が必要なときもあるが,バンドはコピープロテクトを導入するかどうかの選択権を持つべきだ」としている。また「個人的に友達のためにCDをコピーするのは問題になどならない」とも発言している。(via mp3 Hollywood

 宇多田ヒカルさんの関係者から,現行のコピープロテクトは導入しないという発言がウェブ上にあがっているらしく,世間的には注目に値するものだろう(>音楽配信メモLYCHEE SOUNDS)。私は音質が劣化するかどうかを判断するだけの耳を持っていないのでわからないが,聴く人が聴けば劣化が明らかなコピープロテクトはあるという(エイベックスが採用しているカクタス・データ・シールド200でもよくきかれる)。それを平気な顔をして売ろうとするような体質が,そもそもこの音楽業界の「醜さ」の証なのだろう。

 たとえ音質に劣化がなくとも,暴力的な罠でしかないコピープロテクトをシラを切って導入しようとする人たちを信頼などできない。BBC NEWSの記事でも最近の代表としてあげられているセリーヌ・ディオンのアルバムは,国内でも輸入されてよくみかけるのだが…(「キー2オーディオ」というプロテクト技術)。これ,マックOSのパソコンではドライブに入れると取り出すことができなくなる。ゴミ箱にCDを入れるとマウントはされなくなるが,出てこない。「F12」キーなどのドライブイジェクトも効かない(再起動時にやっとドライブを開ける)。どういう理屈でそうなるのかは不明だが,まともなものではない,のは確か。まぁ,もともとまともぢゃない「醜い」人間たちがつくるものなんだから,仕方ないんだけどね。




 
[2002.04.24]
  あの時の流れと


 ▼コンピュサーブは『Netscape』を採用(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020417-2.html


 ブラウザを変えると,時の流れも変わる。停滞し続けた「加速する時」が動き出す。凛として。

 AOL社は同社のもうひとつのオンラインサービスであるコンピュサーブのデフォルトブラウザに,インターネット・エクスプローラーではなくネットスケープを採用した。親会社のAOLタイムワーナーがマイクロソフト社を提訴しており,対決姿勢が強まっている。主力サービスのアメリカ・オンラインでもネットスケープ採用の動きがみられる。

 遅いと評判のOS Xブラウザで(^_^; WIRED NEWSの記事),モジラもそれほど速くはない。というか遅い。私のブラウザ使用割合は,iCab:オムニウェブ:IE:モジラ=7:1:1:1という感じ。基本的にはiCabで表示できないサイトは見ないが,サイトの確認のためのに他のブラウザも使う。それはネットワークでの礼儀だと,勝手に思い込んでいる。とはいうものの,自分の手元にないプラットフォームなどは確認しようがないので,その点でゲッコーはありがたい。狭いプラットフォームで最速のブラウザよりも,それなりのスピードで広くプラットフォームをカバーする方が尊敬できる。まぁ意固地な意見だけど。

 あの時のネットスケープと今のネットスケープはまったく別物だ。同じコードは残っていないだろう。でも,モジラを開くとき,ネットスケープ・タイムは再び流れ出す。感傷かもしれないけれど,あの日の光が差し込む。ネットスケープ・タイムの下では,陽は1日に7度昇り,7度沈む。人は1日に7日生きられることを知る。1晩も寝てしまったら何日が過ぎ去ってしまうことだろう。時を刻めるブラウザの歩みを,まだ待ち続けたい。




 
[2002.04.22]
  空よ手に手に


 ▼Modular PC Downsizes the Computer(Yahoo! News)【英語】
  http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/ap/20020417/ap_on_hi_te/modular_computing_5


 地,しか映せなかったノートPC,PDA。空,こそ映すOQO。

 ほとんど無名のOQO社が開発したペーパーバックサイズのポケットに入る「ウルトラ・パーソナルコンピュータ」(写真12)は,ウインドウズXPが動作する。トランスメタ社の1GHzチップに256MBのメモリ,10GBのハードディスク,それに802.11bとブルートゥースのワイヤレス・ネットワーク接続を持つ。価格は1000ドルで秋か冬には店頭に並ぶだろう。OQO社は,アップル社,IBM社,オラクル社,トランスメタ社,NASA,MITの技術者,設計者によって1999年に設立した会社。

 私事だけど,どうもノートパソコンというのが使えない。なんでだかはわからないけど,そうなのだ。ついでにいうとPDAも使えない。そうなると常にデスクトップに縛られっ放しになる。動くことができない。デスクトップパソコンをそのままポケットに入れて外出して,どこでも好きなところで取り出して作業ができたら,と思う。そしてそれを忠実に叶えてくれるのは,これ,かもしれない。

 ウルトラ・パーソナルコンピュータの持つ1GHz・256MB・10GBがあれば十分,机にくっついているのと同じ能力を持てる。LCDディスプレイ,USBにファイアワイヤー。10.4 X 7.4 X 2.3cmのデスクトップパソコンをポケットに。そして,なんといってもそのネットワーク志向。本来はPDAなどがすでに持ってなくちゃいけないようなネットワーク性をひらめかす。手の平の上に世界がある。いや,世界なんかじゃない。青空も夜空も暁も。空を手に持てる快感,手の平にぎゅっと握れる,その時を待つ。(OQO社のサイトのトップのFlash,「news/press」をクリックすると,…ぉ,この髪形は?(^_^)




 
[2002.04.21]
  今,ここの,常識


 ▼匿名掲示板の書き込みにも著作権はある 出版を差し止める判断(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0415/hotel.htm


 前時代の常識でしか生きられない人たちは放っておこう。今,ここの,常識で生きよう。

 インターネットの掲示板に書き込んだ内容を無断で出版物に利用したと,投稿者らが出版社を訴えていた裁判で,東京地裁は匿名の投稿にも著作権を認め,損害賠償を命じる判決をくだした。

 別に常識のない出版社の肩を持つつもりはない。盗っ人には盗っ人の罰を受けさせるだけだ。だが,そんな話に著作権がどうこう云い出すところは爆笑したらいいのか,鼻で笑ったらいいのか…。こういう頭の悪い司法が,これまた頭の悪い音楽業界をつけ上がらせたりしていて,閉塞感しかないのがこの国のカタチ。

 きちんと認識しよう。掲示板の書き込みに(今世間でいわれている)著作権などない。ネットワーク上に流れる情報に著作権などない。音楽ファイルも動画ファイルも同じだ。音楽ファイルは当然コピーされて拡散していくし,掲示板への書き込みはどこか知らないところでコピペされててもおかしくない。知は個の所有物ではなく,総体の血脈となる。誰がコピーを止められるのか? 権力も司法も止める術など持たない。ワイヤードの情報とは,そういうものだからだ。これまでの常識と違う世界で私たちは生きる。そして今ここにある常識を身につけよう。それが,人間がもう一歩進化させる唯一の手段なんだから。




 
[2002.04.19]
  終わりのない旅路


 ▼ゲーマーの間で蔓延する,“ヘロインゲーム”中毒(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0204/16/e_game.html


 歩いてどこまで行けるかと考えると,自分の寿命はそこまでだとわかる。だが,テラまで1秒,1歩に100万光年の世界では,寿命は定まらない。冒険に,終わりはない。

 オンラインRPGのエバークエストにはまって,現実社会に支障をきたす人は多い。先日は息子の自殺の原因として母親がエバークエストを非難していた。ゲーム中毒者のなかには自分が中毒だと気付いていない人も多い。だが人との関係作りが苦手な人にとっては,さまざまな役割やアイデンティティを試すことができる。

 地球上では,距離と時間は比例する。移動には時間がかかる。だが有史3000年ほどを経て,地球上には冒険すべき地など残っていない。ありふれた風景,見慣れた景色,使い古された技法建築。止まらぬ人口の増大は,人目に触れぬ地表を消し,迷い子が迷いの森の奥へと消えてしまうこともなくなった。なにせ,迷いの森の奥にあるのは,やっぱり喧騒に包まれた街並みだからだ。

 ワイヤード上では,距離と時間は相互につながっている。1テラkmを1秒で移動し,1歩先へと100万光年の時間を費やすことも普通だ。地球上の時間にすると数億年ものときが過ぎゆくなかで,1秒前の道徳は1秒後の不徳となる。昨日の荒野が今日にはメガロボリスとなり,明日には遺跡となる。人は固定の人でいる必要はなく,1分間で1000人の自分を表現できる。どの自分も偽物ではなく,真実の自分が1000人いる。そして,まだ誰も目にしていない景色が地平線まで続く道を歩む。止まる必要などない,距離と時間はつながり続けているんだから。




 
[2002.04.17]
  modern politician


 ▼2つの説明責任〜国会議員サイトの要件(下)(japan.internet.com)
  http://japan.internet.com/public/pub/20020405/1.html


 前時代の政治家,政治屋しかいない。ウェブ上で声を出せること,そして嘘もきちんとこなせる人,が待ち遠しい。

 衆議院や参議院が国会議員にサイトを提供すべきだという考えには,議員が辞職してしまうと説明責任も消滅してしまうというマズイ点もある。注目を集める疑惑の3議員のウェブサイトの使い方は3者3様で,沈黙,事務所の声明のみ,個人としてネットオーディエンスの反感を買いにくいテキスト,とバラバラだ。

 面白い記事だった。まぁ日本の政治屋さんになにかを期待している人も少ないと思うが,黙って黙々と仕事をしている人は政治家に向かない。政治屋でも政治家でも,自分をアピールする術,パフォーマンスは必要だ。といっても,パフォーマンスだけで終わると現首相や疑惑の3人のような政治屋稼業に成り下がるのだけど。

 で,パフォーマンスの場としてウェブはとんでもなく有効だ。選挙運動以外なら好き勝手にできる現状で,注目も集めやすい。でも,記事にある疑惑の3人のサイトをみても,あまりにもわかりやすい,子どもでもわかるような嘘が見え見えだ。政治家は嘘もつけなくてはいけない生き物だ。嘘をつくことを知らずに政治屋になっている若い社民党議員のふがいなさをみると呆れる。でもまだ,ウェブ上できちんと嘘をつく,うまい作法を知っている政治家もいなかったりする。現代の政治家,と呼べる人は,まだ誰もいない。




 
[2002.04.15]
  意見の拡散と表現者の表現


 ▼「弾圧された作家たちの歴史」を描いた本、オンラインで無料刊行(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020404204.html


 音がひび割れるマイクで歌いたいという人はいないだろう。では,彼らはいったいどう思っているのだろう? なにも考えてないのかな?

 作家のドロシー・ブライアント氏の書いた作家への言論弾圧をテーマにした「文筆家へのリンチ」という作品は,オンライン・ニュースレターで無料刊行される。出版社は興味を示さなかったが,あるコラムニストがオンライン出版を薦めた。読者の存在を感じられるオンラインでの作品成立過程は刺激的だとブライアント氏は語る。

 トンデモな意見も含めて,ネットワークでは表した意見は自由に流通する。もちろん広まらないものもあるけど,予想していたなん100倍もの拡散をみせ,「なにか」をつくることもある。出版社や放送局など要らない,権力も資金も要らない。「氏ね」呼ばわりされたって,その人が読むところまで広がったことが大事。その,みえない力,が働いているのは,ネチズンなら誰でも知っているだろう。

 話は変わる。ずっと思っているのだが,なぜミュージシャンはコピープロテクトCDに意見を誰も出さないのだろう(私の見識が狭いだけかもしれないが,平沢進氏以外に意見を聞いたことがない)。賛成なら賛成で全然構わない。苦労してつくった曲が無料でやりとりされているのは許せないという意見があるならもっともだ。レコード会社の頭の悪そうな人間がわけを説明するより,ミュージシャンが説明した方が納得する人は多いだろう。ユーザーからの意見がこれだけ出ているのに,当人であるミュージシャンが口をつぐんでいるのはおかしいを通り越して異常だ。レコード会社に飼われている犬扱いされても,別におかしくないだろう。いや,それは犬に対して失礼か。ミュージシャン(表現者)が自分の表現を伝える道具に加えられた罠に,なにも意見を持っていないのだったら,そんな表現者は死んだ方がいい。そんな表現に価値はない。




 
[2002.04.13]
  クラスの風景


 ▼ゲートウェイのデジタル音楽キャンペーンは海賊行為を助長する?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20020412102.html


 よくあるクラスの風景です。誰にでも経験あるでしょ? あ〜めんどくさい。

 ゲートウェイ社の新しい音楽対応型パソコンの販促キャンペーンCMがレコード業界の怒りを買っている。またこのキャンペーンは,デジタルファイル規制法案に対する当てつけでもある。

 コピープロテクトCDに対するパソコンメーカー,CDプレーヤーメーカーの意見もそれなりに出そろったようで(Impress AV Watchの記事)。どれも意訳すれば,そもそもあんなのは音楽CDぢゃないんだから再生できなくて当然,エイベックスが自分で再生ハードつくればいいんぢゃない? というところだろうか。まぁクラスには1人ぐらいこういう周りの迷惑を省みずに好き勝手やってるやつはいるもので,なにもできないくせにと呆れられているものだ。

 で,クラスにはそんなのけ者とおんなじ穴のムジナが数人いるわけで,他の生徒とは関わる人間性を持てずにその連中だけでたむろっている。というのが現状でよろしいですか? 熱血先生が登場してきてクラスみんな仲良く,なんてことは世の中ないわけで,そういうバカは最初っからいなかったものとして無視し続けて卒業まで,というのが正しい。どうせ話し合ったって,まともな話をするような人なわけがないし,無視無視。最初っからそんな人間いなかったと思って,関わり持つと自分が汚れるしね。




 
[2002.04.12]
  6mmの隙間のとても


 ▼厚さ6mmのデジタルカメラ「eyeplate」レビュー (Mac Fan net)
  http://macfannet.mycom.co.jp/special/review/review020402.html


 画質徹底主義な人でなければ,選ぶ要素が多種多様な今のデジカメ売り場は,店舗でいちばん楽しい場所な感じがする。

 富士フイルムアクシア社の「アイプレート」は,厚さ6mmというデジタルカメラだ。画質は30万画素クラスのデジカメにしては,なかなかキレイ。実売1万円弱とお手ごろだ。

 デジカメが結構面白いことになっている気がする。もともと,デジカメは個性が出しやすいデバイスだけど,特にいいものが出てきている感じ。双眼鏡+デジカメという使いようによっちゃぁあれだよね(^_^;という旭光学工業社(ペンタックス)のデジビノや(Nikkei BizTech Newsの記事),見た目を変更させられる東芝社のソラも好感が持てる。プリンタやスキャナなどにも同様の個性が欲しいのだけど…。

 6mmってこれぐらいだよねと,親指と人差し指の間に隙間を作ると,改めてその姿形にぞくぞくしてしまう。さまざまなデジカメが並ぶ店頭でも1個だけかなり際立っている。とてもとっても。




 
[2002.04.10]
  こことあそこ,断絶


 ▼世界の核物質の所在がわかるデータベース(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020325203.html


 爆弾のつくり方とか,毒物のつくり方とかはいつもネットワーク上の人気コンテンツだ。でもそれは情報の流通じゃない。こことあそこの断絶と,弾劾,だ。

 核爆弾をつくるのは簡単だ。必要となるプルトニウムや濃縮ウランの保管場所は世界中にあり,その所在地を確認する「核物質の不法移動,盗難および所在不明の放射性物質に関するデータベース」がネットワーク上につくられている。行方不明になっている高濃縮ウランもあり,このデータベースが有用と思われる。

 世界中の警察が持っている危険人物のデータベースがネットワーク上に存在したとしても,なにか状況がかわることはあまりない。リアルの悪人とワイヤードの悪人はえてして同じじゃない。リアルにあるリアルを破壊する物質もワイヤードを破壊することはできない。

 ワイヤードはリアルの情報を補完する場所ではなく,リアルのための代替スペースでもない。リアルの法律も倫理も役に立たないし,役に立たせようとすると,TVドラマの犯罪人に手錠をかけるような,お門違いな行動にしかみえない。ここと,あそこは違う。あした,ここと,あそこと,人間にとってどっちがふさわしい,か?




 
[2002.04.08]
  ここに要らない,人たち


 ▼Netscapeブラウザのシェアが大幅に減少中、もはや7%程度(Nikkei BizTech News)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/inet/177100


 別にIEが99.9%をシェアを握っても構わない。だが,ウェブページ制作者はプラットフォームを広くサポートする,サポートできるブラウザを決して手放すべきではない。それが,ネットワークの思想,だからだ。

 ウェブサイトストーリー社の調査によると,ネットスケープブラウザのシェアは7%ほどとなっている。インターネット・エクスプローラー(IE)5がトップで,IE6が30%ほどまで伸びて2位となっている。

 もうずっと前にブラウザ戦争なんて終了して,IE独裁になっているのはわかり切っていること。だが,堅苦しいことを云うなといわれそうだけど,すべてのプラットフォームで同じ表示を実現しなければいけないウェブの世界で,ウインドウズ用とマック用のブラウザしかつくれない,つくる能力がないMSがシェアを握っている時点で,ウェブの魅力は半減する。一言で云えば,つまらないものになる。

 ウェブページの制作者は,どの環境でもきちんとページがみられるかどうか確認するのは絶対のはずだが,たぶんIEでしか確認していないズボラら制作者が9割以上だろう。人間は,基本的には自分本位だしね。制作を依頼するクライアントもIE以外のブラウザがあるのなんて知らないだろうし,制作者はそれに合わせて仕事をすりゃいいのだけどね。でも,そんな制作者はウェブの世界には,要らない,はずだ。




 
[2002.04.07]
  電力創造ネットワーク創造


 ▼さまざまな応用が期待される「インテリジェント・ポリマー」(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020320301.html


 永久機関でも発明されない限り,電力の生産は必要になる。コンセントに頼るのではなく,自らが電力生産しなければいけないときが来る。歩いているときも,寝ているときも,いつも,いつも。

 インテリジェント・ポリマーによって,怪我をするような動きをすると警告するひざ当て,着ているだけで太陽光発電する衣服,患者の身体の状態をモニターできるシーツなどが生まれる。電力消費の少ない通信機器用に,発電機能を備えた服が開発されるかもしれない。

 充電池というのはいつも必要なときに切れるものだ。ネットワークは爆発的に広がっている今日この頃,よくよく考えればネットワーク機器はすべて電気を消費しているわけで,電力の創出を伴わぬネットワークの拡大は,どこかで終わりを迎えてしまう。たとえ小さな電力でもつくることができれば,ネットワークはより広がる,世界はより広がる。携帯電話もより明確なネットワーク端末となり,PDAも同様になり,そのときに太陽光なり,自分の身体の動きなりで電力を生産することは,大事なこと。

 もちろんそれだけで必要な電力がつくられるわけはなく,サポートをするぐらいにとどまるのだけれど,それがあるかないかで,「必要なとき」を乗り切れるかもしれない。インテリジェント・ポリマーは,ネットワークの拡散に欠かせないものになる。待ち受けの状態ぐらいの電力は生産できるのだから。地球はそんなに裕福な星ではなく,消費は自らの生産によって許される,というときがやがて来る。インテリジェント・ポリマー以外に頼るものがない,そんな日が来る。




 
[2002.04.05]
  あたしのナカユビ


 ▼キーボードを駆逐する? 新興企業のデジタルペン(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/reuters/020404/e_pen.html


 「あんたなんかしょせんナカユビ」と男に告げるのは,内田春菊のマンガだっただろうか。セックスなんかより,ナカユビの方がわかりやすいし楽,でしょ。より,ナカユビっぽいものはなに?

 ユーザーは今も粗末なキーボードで仕事をしているが,それに代わるOTMテクノロジーズ社のVpenがモトローラ社マイクロソフト社の支持を得始めている。モトローラ社は,ブルートゥースでVpenが動作する携帯電話を披露している。

 OTMテクノロジーズのサイトのデモをみるとわかりやすいが,ペンで文字を書いたり絵を描いたりすると,それが入力され,グリップの人差し指が当てる部分にあるボタンを押すとクリック動作になる。カーソルの動きもペンの動きに追随するので,キーボードとマウスの両方の動作がペンにまとまっている感じ。あとはいかに認識力を高められるかどうかだろう。それ次第では,携帯電話やPDAの入力は一気に置き変わる可能性も感じられる。

 『…情欲の中で覚めて,冷めていれば,口では愛を言葉にしてたって,男なんてナカユビの代り。自分の感じる体を知っているのは他人でしかない男なんかじゃなく,自分のナカユビの方なんだから,当然でしょ。キーボードとマウスはあまりにもヘタクソ。あたしのナカユビに近いものは,もっと他にあるはず。




 
[2002.04.04]
  浮遊する,力


 ▼エイベックスがコピー防止CDを拡大、9月には全タイトルに(CNet Japan)
  http://japan.cnet.com/News/Infostand/Item/2002-0402-J-8.html


 今私たちがすべきことはなにか? 暴力? OK。ここは職員室ぢゃないので,力に対抗するために力を振るうことを止めるつもりはない。なにかを変えるためには,血をみることも必要だ。いざ,大空に浮遊する,力持て。

 エイベックス社は,コピー防止CDを4月に6タイトル,5月に20タイトル程度,9月末にはすべてのタイトルに広げる。

 走って走って走り続ける。浅瀬の川を水はね上げて,灼たる太陽に汗かき捨てて,天に昇るかのよな丘を踏み越えて,走り続ける。右足と左足の区別もつかぬほど,すでに足は無意識のように動き続け,身体はそれに付いていっているだけだった。どこが目的地なのかわからない,ただ自分の荒らぐ息だけを聞きながら,走って走って走り続ける。

 世の中なるようにしかならないと諭す父親,長いものには巻かれた方が楽だと云う母親,私は彼らを殺して,ひたすら走り続ける。「私にできることがあるはずだ」。自分が息をしていることもわからなくなり,足元は無数に傷付き,昼か夜かもわからないほど走っていたそのとき,私は感じた。両肩の皮膚がうずき,えも知らぬものが皮膚を突き破って出てきた。それは大きく広がり,羽根を散らす翼となって,羽ばたき始める。翼,翼,翼。駆けていた両足は浮かび上がり,もがくままに,空に,空に,空へと。




 
[2002.04.03]
  破壊の値の解


 ▼ACCSのWebサイトが10時間ダウン――「DoS攻撃なら法的措置も」(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0204/02/accs_f5.html


 4月1日深夜,コンピュータソフトウェア著作権協会のウェブサーバーにアクセスが集中し,アクセス不能になった。同時間帯,2ちゃんねるのダウンロード板に攻撃を示すスレッドが立ち上がっていた。

 コマンドPから64へ。Undoの力でコンストリクターを強情のトバリヘと運べ。霧に煙る雨のように流れる汗を潮として,ネバタの液と貪欲のしもべを携えよ。アラートがうるさい? 24よりカーソルを十時方向へと捧げ,炭田より立ち上る太陽光を胸元に受ける。

 タンデムの音道,ソドムの街雪。ルートの二乗は衒いの気持ち,アヴィータの期待は敵意の翼。GとPLの間を埋める数式の解は? パースペクティブの鋭角から転落して憐れの気持ちをたたき割れ。そして知る。別れは常に,希望と同義。

 Zの側面から光源を経て,1ミリ秒セットからぬぐい切れない涙をデリート。アフォリズムをかんすいで煮れば,helloコマンドの智慧は得られる。ビットの匂いとパルプの香り。同盟はあるか,破滅はあるか。破壊の値を,今F5に焚き付けて。




 
[2002.04.02]
  疑似呈慕


 ▼Apple の新製品 iTiVo のビデオ性能判明(TidBITS)
  http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-623.html#lnk1


 ぇぇと,まだ今日は4月1日ですってば。

 アップル社は,ティーボ社からライセンス契約で得たテクノロジーでパーソナルビデオレコーダー「iTiVo」(動画)をリリースする予定だ。デジタル・ハブのコンセプトにテレビ番組視聴を含めるものとなる。iTiVoは160GBのハードディスクを持ち,ファイアワイヤー経由で番組をクイックタイム形式で転送する。

 すげぇ。動画をみましたか? なんかiTiVoの箱,ダンボールっぽいんですが…(^_^;。まぁそれはいいとして,実は多くのマックユーザーが待ち望んで止まないのがこのiTiVoだったりする気がする。爆発的に売れる気がする。音楽を持ち歩く思想を変えたiPodを,そのまま動画に持ってくればこうなる。将来的には,iPodが拡張していった先にあるクイックタイムPDAにTV番組を転送し,みることも可能になる,はず(過去記事)。もし出れば。

 マックのTVキャプチャ環境は貧弱だ。優秀なソフトデザイン環境を持っている会社は軒並み潰れ,才能のない会社だけがキャプチャ機器をつくっている。だからこんな,OS Xに対応できないのに対応しているかのようなエセ広告を作るはめになる。iPodはこれまでにない革新的な機器と前振りしてよくある製品ぢゃんと非難されたが,iTiVoはマヂでそう云える製品だ。もし出れば。




 
[2002.04.01]
  非なるあてなる


 ▼図書館でのインターネット「ポルノ」排除フィルターは是か非か (WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020329204.html


 最後のつては人の判断を仰ぐしかないんだけど,人の倫理も多種多様。結果,あてになるものは,なにもない。

 エマリン・ルードさんは自分の性に関する傾向を学校や図書館のインターネットで調べようとしたら,ポルノ排除ソフトによってウェブサイトへのアクセスが制限された。フィリタリング・ソフトによって誤って排除されているサイトには,猫の写真が掲載されたサイトや,コメディー映画のサイトなどもある。

 pornやteenやsexとか入っていたら全部エロサイトかよ,とまぁ思わなくもないけど,そんな簡単なフィルタならそうなるのは当然のこと。ヤフーにだってその手の言葉がわんさか書かれているページはあるので,ヤフーもみられなくなるそんな状況がいいのかを悪いのか,すぐにわかるはず。言葉だけですべてを判断するのは非常に暴力的で,こういう裁判沙汰になるのは目に見えて明らかなことで。

 ぢゃあ言葉でフィルタできないんなら画像だよねやぱし,ということで,以前にも取り上げたが(過去記事)いったいどんな画像ならフィルタリングされるのか謎なところ。肌色の色素,とかそんなんぢゃ言葉で排除するのと同じなわけで,グーグルのフィルタオンとオフで試したら(検索語は「lain」ね),この画像がフィルタリングで外さている,なんで? で,いきなりエロ画像満載な結果を返してくれるライコスの画像サーチでフィルタをオンにしたら…「「lain」をキーワードに表示できるものはありません」というメッセージになった。……7500以上の画像が全部エロ画像行きかよ。わけわからん。




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